就職市場の需要と供給をおにぎりで説明してみる

「売り手」と「買い手」という言葉がありますね。

町にあるスーパーなら「売り手」はスーパーで「買い手」はお客さん。

 

これが就職市場で言うと「売り手」は就職したい人で「買い手」は採用したい企業。

採用したい企業がお金を払って、就職したい人の労働力を買うわけですね。

なので労働力を提供する就職したい人は「売り手」になるんです。

需要と供給で価格は決まる

今度は「需要」と「供給」という言葉についてです。

市場では「価格」は「需要」と「供給」によって成り立ちます。

需要と供給をおにぎりで説明してみよう

とある町のスーパーではおにぎりが200円で売られています。

 

その町に住む人はみんなおにぎりを200円で買っています。

 

それをみた近くのお弁当屋さん、おにぎりを100円で売り始めました。

 

すると、これまでスーパーでおにぎりを買っていた人もお弁当屋さんでおにぎりを買うようになったのです。

 

お客さんをお弁当屋さんに奪われたスーパーは、対抗しておにぎりを150円まで値下げしました。

 

その甲斐があって、スーパーの方が家が近い人やスーパーのおにぎりの方が好きな人は、再びスーパーのおにぎりを買うようになりました。

 

一方、100円ではあまり利益の出ないお弁当屋さんはおにぎりを130円に値上げをしてみました。

 

お弁当屋さんが心配したほどお客さんの数は減らず、130円のおにぎりも売れました。

 

 

―そうこうしているうちに、その町のおにぎりの価格は130〜150円が相場になりましたとさ。

おにぎりの値段は誰が決めてる?

このように市場(おにぎり市場)の価格(おにぎりの値段)は、需要(町に住む人)と供給(スーパーとお弁当屋さん)によって変動します。

 

ではこのおにぎりの値段、いったい誰が決めてるんでしょうか?

その町の町長さんが「この町のおにぎりは140円!」といって決めるわけではありませんよ。

 

一見スーパーやお弁当屋さんが決めているようにも見えますが、それも違うんです。

ほんとうはスーパーもお弁当屋さんも、同じおにぎりが300円で売れるなら売りたいんです。

 

でも、スーパーがおにぎりの値段を300円にしたら、お弁当屋さんは300円よりも安い値段でおにぎりを売るでしょう。自分でお米を炊いて作っちゃう人もいるでしょう。隣町に買いに行っちゃう人もいるかもしれません。

なので、スーパーもお弁当屋さんも自由に値段を決めているようで、制約を受けているわけです。

 

この誰が決めるわけでもなく市場の相場が決まっていくことを「見えざる手」と言ったりします。

たしか政治経済の授業かなにかで、アダム・スミスの『国富論』でどーたらこーたら、なんて習った記憶がうっすらある程度ですが、大枠こんな意味だったかとw

 おにぎりは多すぎることも少なすぎることもある

では、おにぎりは300円では売れないんでしょうか?

それが300円でも売れることはあるんです。

 

例えば、お弁当屋さんが小さいお店で、おにぎりが売れ切れてしまってたとしたら。

300円払ってでもおにぎりが食べたい人は、スーパーの300円のおにぎりを買うんです。

おにぎりの具は変わらなくても。

就職市場が売り手優位になる理由

おにぎりが売れ切れている状況というのは、需要(欲しい人)よりも供給(おにぎり)が少ないということですね。

どうしても欲しい人には高くても売れる、スーパーに有利な市場なのです。

 

それが就職市場だと、欲しい人よりも就職したい人が足りていない「就職したい人に有利な市場」ということです。

すると高くてもおにぎりが売れたように、企業は他の企業よりも条件を良くして採用人数を確保するようになります。

 

日本に限って言えば、就労人口はこれから減る一方。

市場価格は様々な条件によって成り立ちますが、需要と供給の関係は大きなトレンドとしてすぐには変わりません。

 

これまでおかかのおにぎりは100円でしか売れなかったのが「売り手優位」になれば300円で売れるようになるんです。

いくらのおにぎりじゃなくていいんです。天むすじゃなくてもいいんです。おかかのおにぎりのままで。

 

人不足への流れは不可逆です

転職市場にも同じことがいえますね。

 

あなたが就職した頃は相場100円だったのが今は300円になってる、なんてこともあるかもしれませんよ?

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