「オレの若かった頃は〜」なんて言説、よく見ます。
早飯早糞早算用、若い頃は客や上司に怒鳴られながらもがむしゃらに働いたもんだよ、とね。そうして会社に社会に貢献してきたという自負があるからこそ、言える台詞でしょう。
たしかに団塊の世代は日本の成長と共にありました。
「それに比べて今どきの〜」「四の五の言わずに黙って働け」って、まぁなりますよね。
口を開けばやれパワハラだ QOL だと権利ばかり主張しおって、と。
厳しい環境こそが人を育てるんだ!
今どきの若いもんはガマンが足りん!
…って、ほんとにそうなんでしょうか?
当時と同じように精神論でみんなが頑張れば、もう一度あの経済成長が訪れるのでしょうか?
ざっくり日本の経済史
1945年に終戦を迎え、そこから1980年までに日本の GNP は80倍になりました。
そして 1990年までバブル景気まで日本は右肩上がりの成長を続けます。
その後、バブル崩壊とともに日本の経済は失われた 30年と呼ばれる時代になります。
今、経営レイヤーにいる世代とその手腕
例えば、今の50代後半の人たちって、1980年頃に入社した世代になりますね。
彼らが入社した頃はまだ元号が「昭和」だった時代。
「厳しい環境を乗り越えてきた自分」っていうストーリーを振り返って悦に入るのはさぞ愉しいことでしょう。
でもそれって厳しい環境の方が優れているという証明にはならないんですよね、ぜんぜん。
過去を美化するのを否定はしませんが、それにお付き合いするほどヒマでもありません。
好況の最中に入社して、働き盛りになった頃からは少しも発展してない世代、序盤においしい思いをして、少しも結果を出せなかった世代、と言ったら言い過ぎですか?
現実として、30年経済成長してこなかったじゃないですか。
その方法論をなぞることの無意味さだけははっきりしています。
私たちはもう一度モーレツ社員をやるべきか
戦後の奇跡の成長も、その後の30年の停滞も、経営手法や方法論によるだけのものではありません。
当然社会情勢や国際経済、あらゆるファクターが複雑に絡み合った結果にすぎません。
同じアクションで同じ結果を期待するほうがおかしいというもの。
だからこそ過去の栄光に囚われない、時代を見据えた舵取りをしてほしいものです。
組織とはパワーバランス渦巻く世界。
業績が伸びない理由を末端に押し付けるような環境にいる人もいるでしょう。
そんな会社にいるのなら、そこで絞り取られるだけの人生を送るのか、きちんと考えた方がいいですよ。
変わらない組織に栄光が輝くことはありませんから。
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